このコーナーでは、医療を少し離れて、自分自身のことや身の周りの出来事についてお話ししようと思います。

   インフルエンザが猛威を振るった冬が終わりました。遅い桜も咲き、散り、子供たちは入学、進級、どきどきの4月です。

  「習い事について」書こうと思って半年が経ちました。私は小さい頃から母の意向でピアノを習っていました。とっても厳しい先生で、何度も涙を流してつらい気持ちで続けました。おかげで今でも楽譜を見ればたいていの曲は弾けますし、自分の楽しみとしてピアノを触ることができます。ただ、習っている最中は本当に大変で、いつもやめたい、やめたいと思いながら、それでも高校3年生まで続けました。習い事というのはそんなものなのだと思っていました。essay07-1

  そういう自分のこともあり、子供たちには好きなようにさせてやろうと思っていました。 しかし長男がピアノを習い始めたとたん、そんな気持ちはどこへやら。鬼と化しました。特訓の甲斐あり?長男はぐんぐん上手になりましたが、ピアノは好きに ならなかったようで、部活が忙しくなったらやめてしまいました。でも、やめたいといわせてやれただけ良かったかなと思います。

  今度は娘たち。ひとりはハンディがあるのでリハビリのつもりです。片手ずつゆっくり練習です。いっしょに連弾で「ぶんぶんぶん」を弾いたときにはうれしくて涙がでました。一歩一歩のんびりやっていこうという気持ちになれます。

essay07-2 次女はちょっと違います。この子はピアノを習いたいという気持ちが強かったのですが、待たせて待たせて始めました。上手に弾けないとくやしくて泣けてきます。本当によく練習します。いわなくてもやります。本当に好きな子というのは、こうなのかな?と初めて知りました。もちろんこれから、どうなっていくかはわかりません。でも、好きだ、楽しい、上手になりたい!という気持ちが大事なんだと良くわかります。

 どの子も本当に好きなことを見つけてほしいなと思う今日この頃。もちろん楽しいことばかりではありません。くやしいこと、つらいことも乗り越えられる「すき」を見つけてほしいのです。essay07-3

(2005.4.18)