ここではいつもは医学や診療から離れてお話を書いていますが今回は特別最近思うことを少し。
2020年1月からの新型コロナ感染症で生活様式がかなり変わりました。
園・学校は急にお休みになったり、仕事が在宅になったり、外食や外出ができなくなったり。
そんな中、みんな凄いなあと思うのはその生活を受け入れ粛々と変化していくことです。
園や学校で言えば、マスクは必需審。給食は前を向いて黙食。しかしこどもたちはできることを受け入れて生き生きと活動しています。修学旅行や課外授業もいろいろ変わったようです。でも行けなかったことできなかったことも思い出になるという子がいてびっくりしました。学校の先生とお話してもそのようなことを言われるのできっと良い教育がされているのだなと思いました。
 私はコロナ以前、診療中に、自分はマスクをしていませんでした。小児科医には「におい」も手掛かりになることと、自分の表情をこどもたちに見てほしかったからです。しかしこの感染症が始まってから仕方なくマスクになりました。でもこどもたちは見えている眼だけで実によく表情を読み取ります。眼力というのは本当にあるのだと思いました。
 病院の待合室からはおもちゃが消えました。本はそのまま出しておきました。そうすると読み聞かせの声がよく聞かれるようになりました。クリニックには私の趣味でたくさんの本が置いてあります。以前以上に楽しんでもらえるようになりました。
 一方で携帯やI PADで動画やユーチューブを見せる親も増えてきました。ここ数年でこういうものを小さい時から触れることの弊害がわかってきているので小児科医としてはお勧めできません。せめてクリニックにいる間くらいは我慢してもらおうと張り紙をしました。「当院内ではスマートフォンやタブレット端末の仕様を控えてください(大人も子供も)」と書いてあります。そう、大人にも警告です。
 密にならないように診療人数を減らしているのでゆっくり話が聞けることもいい点です。幼稚園や学校の話、ペットの話、いろいろ教えてくれます。「あのね先生秘密の話がある。秘密なんだけどね、ママのおなかに赤ちゃんがいる」と秘密の話を(ママの前で)してくれた子もいます。楽しみだね。
 どんどん新しい株がでていつまでも共存していかなくてはいけない感染症ですが、みなさんの知恵と工夫に勉強させてもらいながら、私も粛々と仕事をしていこうと心に決めた2022年の始まりです。今年もよろしくおねがいいたします。