春になりました。新しい生活が始まっていることと思います。入園した子 進級した子、新しいクラスやお友達、先生に慣れたかな?
私は園医として2つの幼稚園と2つの保育園に行っています。そのうちの1つの幼稚園には産業医としても行くので毎月幼稚園に顔を出すことになります。どこの園に行っても楽しそうに遊んでいるこどもたちや一生懸命保育をしている先生方の様子がうかがえます。園の雰囲気が大好きです。

そんな中で思い出すのが自分の幼稚園時代です。
以前にもここで書いたことがあるのですが、私の育った家庭は転勤族で3年ごとに引越しをしていました。私がはじめて幼稚園に入ったのは岡山県岡山市に住んでいた時です。年少組でした。当時の私は幼稚園が大嫌いでした。というか、家が大好きでした。家には2つ下の妹がいて近所には遊ぶ友達がたくさんいました。なぜ自分が幼稚園に行かなくてはいけないのか全くわかりませんでした。おまけに幼稚園での生活も楽しめなかったのです。幼稚園は家からすぐのところにありました。朝は毎日母と手をつないで登園します。昔のことですから、車の往来も少なく、幼稚園の門はいつも開いていました。そういう状況で私はたびたび幼稚園から抜け出し勝手に家に帰っていました。「脱走」です。今なら大問題になりますね。当時も最初はとても怒られました。しかし脱走の常習犯になると、幼稚園から電話があり、先生「家にいますか?」母「はい、います。荷物はあとで取りに行きます」それで許されてしまいました。幼稚園ではお弁当の日とかんたんな給食の日がありました。給食に出てくる渦巻きパンだけは大好きで、その用意が見えたときは脱走せず幼稚園にいて給食をいただきました。

年長になるときに父の転勤があり愛媛県松山市に引っ越しました。幼稚園も転園です。母は考えました。「近くの幼稚園にしたらまた勝手に帰ってくるかもしれない。」なんと、バス通園の幼稚園に入れられてしまいました。今度は2歳年下の妹も一緒に通園です。妹も一緒で安心したのか、私自身も成長したのか、この幼稚園生活はとても楽しく、担任の先生のことも大好きで「脱走」なんて一度も考えることはありませんでした。たくさん遊び、たくさん友達をつくり楽しい幼稚園生活を送りました。

3歳、4歳、5歳という年齢は一年一年の成長がとても著しく大事なところです。ここで失敗も含めて、いろんな経験をして大きく学びます。もちろん行きたくない日もあります。友達とけんかしたり、仲良くなったり。できないことがぐんぐんできるようになる一方、できなくて悔しい思いもあります。そういうことも含めて幼稚園は楽しくて行きたいところであってほしいなと思います。「脱走」は絶対ダメですよ!